とにかく現代の私たちには、時間がない。そんな中、それぞれの人が様々な工夫をして時間をつくり出しています。「だったらみんなの”時間がないなかでの工夫”を共有すれば、もっと時間を生み出せるようになるのでは」というコンセプトで立ち上がったこのメディア。時間がないドットコム。
普段はほんとうに様々な人々の工夫を集め発信しているのですが、世の中には「本」という形でも「時短につながるノウハウ・TIPS」がちょこちょこあるものです。だったら時間がない皆さんのために、その時短ノウハウを1箇所にまとめてみましょう。そんな特集をはじめました。
題して、「時短術30」。
時間がないから時短術の本すら読めないという皆さん。1記事数分で読めるこの中から、ぜひ、自分に合う時短術を見つけてみてください。
#14 生産性向上のカギは、“どう”やるかより“いつ”やるか 「タスクタイム・マネジメント」
時間帯によって、人間は発揮できる能力が異なります。これは、人間の認知能力が1日中絶え間なく変化するからです。そのため、時間帯によって取りくむ仕事の種類を変えることで、生産性を高めることができるのです。
例えば、午前中には「論理的な判断」、午後は「アイデア」が求められる仕事に取りくむとよいでしょう。
人間は起床後、体温の上昇とともに注意力が高まります。と同時に論理的判断に必要な実行力や集中力も上昇します。そこでこの時間帯は、自身が置かれている状況を分析し、正解にたどり着くための論理的判断を下しやすくなるのです。
しかし、この注意深さは正午にピークに達します。その後、時間が経つにつれて、注意深さや集中力は急低下する傾向にあります。その一方で、午後からは要素同士の関連性に気付きやすくなる洞察力が上昇します。洞察力が上がる要因は、抑制制御と呼ばれる「集中を妨げる要素」を制御する能力も注意力とともに低下するからです。
実は、ひらめきを必要とする仕事には、注意深さや制御があまり必要がありません。むしろ抑制制御がピークを過ぎることで、ひらめきは起こりやすくなるほどです。注意深さが弱まることで、かえって要素同士の関連性に気付き、答えを導くことができるようになるのです。したがって、ひらめきや洞察力を必要とする仕事は、午後に行ったほうがよいわけです。
ただし、午後は洞察力が上昇しますが、同時に集中力や注意深さは低下しているので、気を抜いてしまうと生産性や効率は落ちてしまうこともあるでしょう。論理的判断を使用したことで脳が疲弊しているでしょうから、ひらめきや洞察力の時間とともに、午後は休息も取り入れる時間管理をおすすめします。
参考:
『 When 完璧なタイミングを科学する』
著者 ダニエル・ピンク
監訳 勝間和代
出版社 講談社
発売日 2018.09