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超短時間労働の現状課題とは? - 週15分勤務雇用も可能にする「汐留超ワークスタイル会議」イベントレポート後編

第1回 汐留超ワークスタイル会議
2019年1月28日、東京汐留にある電通ホールにて開催された「第1回汐留超ワークスタイル会議」。当日の様子をレポートする本記事の前編では、東京大学先端科学技術研究センター准教授 近藤武夫氏による基調講演をまずご紹介。障がい者の積極雇用をきっかけとした超短時間雇用の考え方についてお届けしました。

続くパネルディスカッションでは、「時間がない.com」主宰の北風祐子氏も参加し、超短時間雇用の実現に向けた意見交換が行われました。以下、レポートの後編です。

 

<パネルディスカッション 登壇者紹介>
梅原みどり 司会。ソフトバンク株式会社CSR統括部CSR部 CSR1課 / ダイバーシティWEBマガジンcococolor編集部員でもあり、プライベートでは5歳男児の母。

木村幸絵 ソフトバンク株式会社CSR統括部CSR部 CSR1課 課長。ショートタイムワーク制度を推進し、現在30名のショートタイムスタッフを起用。障害のある方だけでなく、結婚や出産をきっかけに短時間のテレワークから職務に携わる「ショートタイムテレワーク」という実証実験も行っている。

林孝裕 電通ダイバーシティラボ所属。インクルーシブマーケティングをリリース、実行に移している。ダイバーシティテーマを専門にしたWEBマガジン「Cococolor」を運営。

北風祐子 電通 / 育児と仕事と家事に追われる共働きの夫婦を応援する「時間がない.com」を主催。2年ほど前に大病による休養経験から職場復帰への不安を感じ、これまでの働き方を考え直すきっかけをもつ。

事前に実施された超短時間雇用に関するアンケートを元に進められた本ディスカッション。100件以上の回答の中、9割以上の回答者が、「企業の超短時間雇用の導入に賛成」という結果でした。しかし、実際に導入となると不安も生まれます。それらの意見に対して、登壇者の意見交換が行われました。

現状での超短時間労働の課題とは?

木村:ソフトバンクでは、各部署でこの制度を導入したい方から依頼を受け、障がいがある方の就労支援をする就労移行支援所から人を雇用する流れになっています。この制度を始めてからたくさん依頼がありまして、その仕事や時間にマッチする方を雇用して働いてもらっています。

元々は仕事があって雇用しているのですが、何の仕事をやってもらったらいいかわからないという職務定義の曖昧な部署もある。なので、そういったところをサポートしながら、業務を出していってもらえるといいなと考えています。

近藤:職務定義の仕方がわからないというのは当然のことで、やったことがないとピンとこないわけですね。「この仕事は私じゃないとできないです」といった意見は、本当によくいただきます。そうではない仕事を取っておいて誰かがやってくれれば助かるというフローを考えてみたことがないんだと思います。

あなたが一番力を使いたい本務は何か?を見つけて、その時間を作るためにどうしたらいいのかというのを一緒に考えていくことが大切ですね。その方法はあるので、あとはそれを広げていくことかなぁと思いますね。

梅原:理解を浸透させることが必要ということなんですね。

北風:職務定義をきっちりとするというのは日本の会社に勤めている人みんなができていないことだと思います。

私の周りでいうと、この制度は子育てがひと段落したことによって再就職をしたいという方にも良いと思います。中には再就職支援の講座にお金を払って1年通って就職活動をしている人たちもいるのですが、毎朝定時に通勤電車に乗れるかどうか、長時間会社で勤められるかどうかが不安なのだそうです。

そういった方たちに「こういう仕事が短時間からできますよ」と提示ができれば、相当数の人材が集まりますよね。実際の現場で鍛えた1日3時間・週3回という経験がまた次のキャリアにつながっていくような、そういう流れができるといいなと思いますね。

梅原:林さん、電通ではどうですか?

林:「自分にしかできない仕事を切り出す」と素直に聞いちゃうと、自分のやるべき仕事は価値があって自分がやらなくてもいい仕事はあまり価値がない、みたいな抵抗がありますよね。その考え方自体をどう変えるかというのが大切だなと思っていて。

野球で考えれば、ピッチャーもレフトもライトもいないと困るわけです。自分の仕事の中でもチーム構成をできているかを考えることが大切だなと思います。

今は9人全部+監督までを一人でやるみたいなことが日本人の働き方じゃないですか。自分が本務とするべきところと、ここは堂々と人に助けを求めていいという風に考え方を変えていかないと、仕事の中で優劣というか自分がやる価値のある仕事、人に振っていい価値のない仕事と思われると厳しいなと思います。

木村:CSRに異動してショートタイムワーク制度というものに携わるようになる前は、自分の中では仕事をするのであれば、こう!という考えに縛られていて、他人の課題感や困難さを理解する気持ちの余裕がなかったような気がしています。この制度に関わるようになって、障がいのある方が、どんなことに悩んでいるのか理解することができるようになりました。また、障がいがない人にとっても子育てや体調面など様々な困難がある、ということを思いやる気持ちが出てきたなと感じています。

林:障がい者雇用だけでなく他のアプローチをどんどん出していくことも重要かなと思っていて。例えば弊社にも育休中の女性社員はたくさんいるんですよ。そういう人たちが例えば週に1日数時間だけ会社に来てブレストするとか、部会にだけ出るとかそういう風な参加の仕方でやっていくこともあり得るし、じゃあその間子どもたちどうするの?ってなったらまた超短時間労働でOBOGが面倒を見てくれるとか。

それを企業単体でやると難しいかもしれないから、汐留企業連携でやっていったりできるといいのではないかなと。

梅原:汐留でやる意味はありますか?

林:汐留ってクリエイティブな人がたくさん集まっていることが大きいですよね。汐留を一つの企業だと考えてみたらどうだみたいな話もしました「僕が就職したのは汐留です」みたいな

例えば、汐留エリアの方が働けるコワーキングスペースのような場所を建てて、そこには子どもを連れてきてもいいし、シニアの方々でもOBOGでもいいよとするじゃないですか。そうするとその中で様々な個性が重なり合って企業単体ではできなかったことをできるようになってくる。

汐留の中で新しい価値みたいなことができていくかなって思うんです。障がい者に限らず、そういった点も議論できていくと、結構クリエイティブな発想に変わっていくんじゃないかなって気がしますね。

越境ワーカープロジェクトのその先に望むもの

林:今回のプロジェクトも「越境ワーカー」という電通とソフトバンクの相互インターンシップのような形でやっているんですけど、やっぱりインターンシップって感じなんですよね。それが今後お互いの企業からある一定時間だけバイト代もらってみたいな形ができたら、それはそれで新しい働き方かもしれないですよね。

近藤:そうですね。ワークシェアという考え方って企業の中で一つの仕事を2人で分けるみたいなイメージがあると思うんですが、実は違うんですよね。越境ワーカーという考え方を入れて、ワーカーシェア、つまりワーカーをそのエリアの中でシェアしちゃえばいいんじゃないかという考え方なんです。

北風:越境ワーカーのことを上司に説明した時に、どうして越境なのかというのを何度も聞かれて。説明してもなかなか伝わらないので、会社自体が懐を深く・トップの意識を変えていかないとなかなか難しいかもしれないですよね。小さくても試みをやっていくことはもちろん、既成事実を作っていくということも大事だなと思いました。

梅原:ワーカーシェアへの理解はもちろん、掛け算でまた新しいものが産まれるぞという発想があると、より次のステップに進もうという気持ちになるのかもしれませんね。

ワークショップでは汐留で実現するための意見が続々

この後に行われたワークショップでは、年齢や肩書きを越境した意見交換の元、ポジティブな案が多く生まれました。その中から会場で発表された企画案を2つ紹介します。

①幸福度による活性化
業務のできるできないではなく、その仕事が好きかどうかの幸福度によるマッチングを行う。明確な基準を設定し、幸せを感じる人と仕事をマッチングする仕組みを作る。

②地域型のポイント制度
マッチングサイトを制作し、仕事をした方の評価をポイント制にて表示して、モチベーションアップを図る。汐留で働く方に汐留で使えるトークンエコノミーを導入し、地域に新しい価値を生む。

これらの案の実現に向けて、キャッチコピー等の制作が始まることとなりました。果たしてどのような施策になるのでしょうか?続報をお楽しみに。

 

今は健康だとしても、誰しもが突然働けなくなるリスクはあります。この超短時間雇用の考え方が浸透していくことで、幸福度の高い働き方が可能になるかもしれません。

汐留から広がる新しい働き方に、期待が高まります。

 

前編:「週15分から働ける仕組み作りとは?」東京大学先端科学技術研究センター准教授 近藤武夫氏による基調講演

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